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愛着理論-DMモデルの「ACタイプまたA/Cタイプ」・「IOタイプ(その他の不安定型)」とは?|その特徴や愛着障害の克服の仕方は? それには安全基地が必要

当Webサイトの医療情報提供に関するコメントです。愛着障害や愛着タイプ、愛着スタイルなどについて情報提供をしています。

愛着理論-DMモデルには 「ACタイプまたA/Cタイプ」・「IOタイプ(その他の不安定型)」 がある。その解説をする。また「愛着障害」についても言及する。

「愛着」とは?

まず「愛着」とは特定の人に対する特別な結びつきのことだ。また、人格のもっとも土台の部分を形造っているものである。脳内のホルモン作用がかかわる生理学的な仕組みである。その型として愛着タイプ・愛着スタイルというものがある。それは対人関係の在り方に大きな影響を与えるものである。また愛着タイプ・愛着スタイルは人付き合いだけでなく、その人の生き方にも大きな影響を与えている。

不安定な愛着を抱えていると、対人関係や人生に課題や困難を抱えやすい傾向がある

不安定な愛着とは何だろうか。産みの母との関わりを筆頭に、父、育ての母、祖父母など、さまざまな他人との関わりが愛着スタイルを形作っていくことになる。社会で生きるとは人付き合いの連続であり、その原点となるのが彼らである。彼らとの付き合いによって、相手に助けを求めることや、その結果をどれだけ期待するかといった愛着が形造られる。その型の愛着タイプや愛着スタイルは人付き合いだけでなく、その人の生き方にも大きな影響を与えている。

「愛着理論-DMモデル」とは?

愛着理論とは、「全ての人は生まれながら、親密さと安心を得ようとする欲求を持ち、自分を守ってくれると感じられる人からそれを得ようとする」という前提をもとに展開される理論である。そして、「DMモデル」を省略せずに記すと、「動的-成熟モデル(Dynamic Maturational model=DMM)」である。DMモデルとは「成人愛着面接(AAI=Attachment Adult Interview)」へのアプローチの一つなのだ。ここで一番大事なのは、この成人愛着面接とDMモデルにより、「愛着タイプ」が判明する。

成人愛着面接とは、内的作業モデルを評価する手段である。この内的作業モデルは、対人関係・社会的行動のテンプレートといえる。 愛着対象と自身の関係をもとに、新たに遭遇する他者のふるまいを予測・解釈し、自分の行動を決定していく。そのテンプレートである。

成人愛着面接では対象者とインタビューワーが面接方式で、内的作業モデルを評価する。この手段の特徴は、対象者が重要な事実を話しやすく、話すことで理解することがしやすい点である。DMモデルやABCDモデルは、この成人愛着面接を作成するための元になる。

DMモデルはABCDモデルより細かく正確に把握することができる。ABCDモデルでは、安定型愛着スタイル以外のパターンでは、研究時に一種の妥当性や適応性が考慮されていなかった。また、ABCDモデルを安定型・不安型などのような名称(愛着スタイル)で呼ぶのは、無礼で軽蔑的な面を含むとされ、ABCDモデルの提唱者より呼称が推奨されていないのである。

・セキュアベースという言葉は、ジョン・ボウルビィとメアリー・エインワースによる戦後の「愛着理論」研究から生まれた。愛着理論は、「すべての人は生まれながらにして、親密さと安心を得ようとする欲求を持っており、自分を守ってくれると感じられる人からそれを得ようとする」という前提のもとに展開される理論である。
(引用 : 『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版)
・Bowlby(1969,1973,1980)の仮定によれば、子どもは愛着対象との日々の具体的相互作用を通して、徐々に、愛着対象への近接可能性および愛着対象の情緒的応答性等に関する主観的確信、自己と他者の関係性全般に関する一般化された表象、すなわちIWMを形成するという。いったんこのIWMが固まり始めると、子どもはこれを1つのテンプレートとして様々な対人関係に適用し始める。愛着対象と自身の関係スタイルを基盤に、新たに遭遇する他者のふるまいを予測・解釈し、自分自身の行動のプランニングを行うようになる。結果的に、愛着対象と自身との関係に近似したスタイルが再生産されることになり、それを通じてまた、個人はそのIWMをさらに強固にしていくことになり、ひいては人格の同一性が保持されることになると仮定していた(詳細は遠藤,1992,1993)。(引用 : 『日本人母子における愛着の世代間伝達』数井みゆき 遠藤利彦 田中亜希子 坂上裕子 菅沼真樹 一般社団法人日本教育心理学会 第48巻第3号)

愛着タイプの分類

Bタイプ、Aタイプ、Cタイプ、ACタイプ・A/Cタイプ、IOタイプ(その他の不安定型)がある。


(参考 : 『成人アタッチメントのアセスメント-動的-成熟モデルによる談話分析-』著者:パトリシア・M・クリテンデン、アンドレア・ランディーニ 監訳者:三上 謙一 岩崎学術出版社 初版 【図1.1 成人期におけるアタッチメント方略の動的-成熟モデル】)

他の愛着タイプの特徴は以下の記事で詳しく説明している。

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各人を「成人愛着面接(AAI)」によって評価する

成人愛着面接 (AAI=Adult Attachment Interview) とは、面接により成人の愛着の状態を評価するものである。 先に述べた、内的作業モデルを評価する手段である。 対人関係上の問題や危機から自らを守ることに関連した問題を解決するために成人が用いる方略を調べるのに使われる。AAIに対するDMMアプローチは母親に関する研究を超えて、危機、生殖、自分の子どもへの脅威という全範囲にわたる成人の関心を扱っている。

・実際、AAIは、対人関係上の問題や危機から自らを守ることに関連した問題を解決するために成人が用いる方略を調べるのに関連しているように思われる。そして、これらの問題は夫婦関係や家族機能や個人のメンタルヘルスや恐らくは専門的職業的成功にとって重要である。危機と性愛の機会に関連した心的情報処理の方略に焦点を当てることは特に精神病理と犯罪行為のケースに関わってくる。AAIに対するDMMアプローチは母親に関する研究を超えて、危機、生殖、自分の子どもへの脅威という全範囲にわたる成人の関心を扱うのである。
(引用 : 『成人アタッチメントのアセスメント-動的-成熟モデルによる談話分析-』著者:パトリシア・M・クリテンデン、アンドレア・ランディーニ 監訳者:三上 謙一 岩崎学術出版社 初版)

愛着理論-DMモデルの修正項目

愛着理論-DMモデルに修正項目がある。愛着タイプとは別に、心理的機能の広範囲にわたって影響を与えるものである。自己を守ったり、安全な生殖行動を促進したり、自分たちの子孫を守るための方略が機能不全を起こしている状態となる。

「抑うつ」・「失見当」・「再構成」・「否定的情動の侵入」・「身体表現症状」・「トラウマまたは喪失の未解決」という6つの修正項目がある。そして、トラウマまたは喪失の未解決には14の異なる形式がある。「軽視型」・「置き換えられた」 ・「遮断された」 ・「否認された」 ・「妄想的に修復された」 ・「とらわれ型」 ・「代理の」 ・「予期された」 ・「想像された」 ・「示唆された」 ・「ほのめかされた」 ・「妄想的に復讐的な」・「抑うつ的」 ・「無秩序型」である。

愛着理論-ABCDモデルとは違い、無秩序型などを修正項目として用いている。

「ACタイプまたA/Cタイプ」の特徴

BタイプとAタイプ、Cタイプだけでなく、AタイプとCタイプの統合された統合と統合されていない結合がある。

A/C・ACやB3との違い

獲得された (あるいは、成熟した) B3の人と、究極的には精神病質へと向かっていく勾配を持つA/Cの人は何が違うのだろうか。A/C方略はBタイプの人にも見られる過程を反映している。すなわち、人は危機に晒されると、はるかに洗練されて、かつ条件に特化した自己防衛方略(心を自己防衛するような方略)を構築し得るのである。このように、最も適応的な人々は心的情報処理を歪曲することなく、すべての行動方略を利用することもできる。獲得された/成熟した/賢い (獲得された) B3の人はいかようにも振る舞うこともできる。

しかし、彼らは自分が何をしているのか、なぜそうしているのかを知っており、そして決定的に重要なことであるが、彼らはそれを止めることもできる。要するに、彼らは他者を欺くことができるが、自分自身を欺くことはなく、そして自分を守るために必要がなくなったならば、欺くのをやめることができるのである。これによって、獲得された (あるいは、成熟した) B3の人と、究極的には精神病質へと向かっていく勾配を持つA/Cの人とを区別できる。B3の人と同じように、精神病質者はすべての行動方略を用いることができる。しかし、それは歪曲され、偽装され、否認され、妄想的な情報を基盤にしている。彼らは欺き、特に巻き込む欺きや相互的な欺きを用いる。彼らが最もB3と間違われやすいのは、彼らが有効な方略を備えている、目に見えて明らかな脅威がある文脈においてであろう。彼らが最もBらしく見えなくなるのは安全や慰めに直面した時であり、それらは彼らが危機の存在を事実上隠すものなのである。

交替型か融合型か

A/CタイプとACタイプについて、以下の点を明確にすべきであろう。(a) A/CとACは分類可能な組織化された方略である。(b)AとCのいかなるパターンも結合することができる (たとえば、A1/C1、A3/C3、A7/C5など)。(c) A7-8C7-8の結合のみが真に精神病質的である。

成人の中には、知覚された危機から自身を守るためにAタイプの方略とCタイプの方略の両方を用いる人がいる。その結合は交替型alternating (A/C) または融合型blended (AC) のどちらかだ。その方略は低数字のパターンと高数字のパターンの両方からのいかなる結合を用いることもあるかもしれない (たとえば、A2/C1、A3/C2、A4/C6)。加えて、方略の交替には、異なる「アタッチメント対象」に対して特定の方略を使用するためかもしれない。あるいは、異なった「状況」に対する特定の方略の使用、たとえば軽い脅威に対するC1-2や深刻な脅威に対するA3-4のようなものを示唆しているのかもしれない。

融合型の結合はもっと統合されており、以下のような勾配を構成している。
正確な情動と正確な認知の結合 (B3) から
→情動または認知は正確であるが、情報がいくらか排除された形での統合 (A1-2C1-2) へ
→歪曲された情報といくらか排除された情報との統合 (A3-4C3-4) から
→偽装された情報と時に否認された情報を含んだもの (A3-6C3-6) へ
→さらに偽装され、否認され、時に妄想的な情報を含んだもの (A7-8C7-8) へ
というものである。この勾配の一番上部は精神病質的な統合である。しかしB3とは対照的に、偽装され、否認され、妄想的になった情動と認知が強調されるのである。

A/Cと精神医学的診断

多くの精神病理的状態は結合されたAとCの方略と関連している。

双極性うつ病は両者の関係を示唆する明らかな例の一つである。双極性障害と診断された人の多くはA3-6/C3-6の結合の範囲を示している。また境界性パーソナリティ障害も修正項目をかなり伴ったA/Cの組織化と関連していることが多い。

・この章ではAタイプとCタイプの統合された統合と統合されていない結合について説明する。A/C方略はBタイプの人にも見られる過程を反映しているという点で興味深い。すなわち、人は危機に晒されると、はるかに洗練され、かつ条件に特化した自己防衛方略を構築し得るのである。このような方略では現在に関連する事柄が過去から持ち出され、過去のみと関連する事柄は捨てられる (過去に置いておかれる) のである。このように、最も適応的な人々は心的情報処理を歪曲することなく、すべての行動方略を利用することもできる。獲得された/成熟した/賢い (純真ではない) B3の人は (方略として) いかようにも振る舞うこともできる。しかし、彼らは自分が何をしているのか、なぜそうしているのかを知っており、そして決定的に重要なことであるが、彼らはそれを止めることもできる。要するに、彼らは他者を欺くことができるが、自分自身を欺くことはなく、そして自分を守るために必要がなくなったならば、欺くのをやめることができるのである。これによって獲得された (あるいは、成熟した) B3の人と、究極的には精神病質へと向かっていく勾配を持つA/Cの人とを区別できる。B3の人のように、精神病質者はすべての行動方略を用いることができるが、それは歪曲され、偽装され、否認され、妄想的な情報を基盤にしている。彼らは欺き、特に巻き込む欺きや相互的な欺きを用いる。彼らが最もB3と間違われやすいのは、彼らが有効な方略を備えている、目に見えて明らかな脅威がある文脈においてであろう。彼らが最もBらしく見えなくなるのは安全や慰めに直面した時であり、それらは彼らの経験では危機の存在を事実上隠すものなのである。
(引用 : 『成人アタッチメントのアセスメント-動的-成熟モデルによる談話分析-』著者:パトリシア・M・クリテンデン、アンドレア・ランディーニ 監訳者:三上 謙一 岩崎学術出版社 初版)
「A/CタイプとACタイプ」
・まず、以下の点を明確にすべきであろう。(a) A/CとACは分類可能な組織化された方略である。(b)AとCのいかなるパターンも結合することができる (たとえば、A1/C1、A3/C3、A7/C5など)。(c) A7-8C7-8の結合のみが真に精神病質的である。
(引用 : 『成人アタッチメントのアセスメント-動的-成熟モデルによる談話分析-』著者:パトリシア・M・クリテンデン、アンドレア・ランディーニ 監訳者:三上 謙一 岩崎学術出版社 初版)
「概観」
・成人の中には、知覚された危機から自身を守るためにAタイプの方略とCタイプの方略の両方を用いる人がいる。その結合は交替型alternating (A/C) または融合型blended (AC) のどちらかであろう。その方略は低数字のパターンと高数字のパターンの両方からのいかなる結合を用いることもあるかもしれない (たとえば、A2/C1、A3/C2、A4/C6)。加えて、方略の交替には異なるアタッチメント対象に対する特定の方略の使用が反映されているかもしれない (たとえば、A3ᴍ/C3ғ)。あるいは異なった状況に対する特定の方略の使用、たとえば軽い脅威に対するC1-2や深刻な脅威に対するA3-4のようなものを示唆しているのかもしれない。
・融合型の結合はもっと統合されており、以下のような勾配を構成している。正確な情動と正確な認知の結合 (B3) から、情動または認知は正確であるが、情報がいくらか排除された形での統合 (A1-2C1-2) へ、歪曲された情報といくらか排除された情報との統合 (A3-4C3-4) から、偽装された情報と時に否認された情報を含んだもの (A3-6C3-6) へ、さらに偽装され、否認され、時に妄想的な情報を含んだもの (A7-8C7-8) へ、というものである。この勾配の絶頂は精神病質的な統合である (以下を見よ)。それは獲得されたB3のようにすべての可能性を含んでいるが、B3とは対照的に、偽装され、否認され、妄想的になった情動と認知が強調されるのである。
「A/Cと精神医学的診断」
・双極性うつ病は両者の関係を示唆する明らかな例の一つである。双極性障害と診断された人の多くはA3-6/C3-6の結合の範囲を示している。また境界性パーソナリティ障害も修正項目をかなり伴ったA/Cの組織化と関連していることが多い (Crittenden & Newman, 2010)。
(引用 : 『成人アタッチメントのアセスメント-動的-成熟モデルによる談話分析-』著者:パトリシア・M・クリテンデン、アンドレア・ランディーニ 監訳者:三上 謙一 岩崎学術出版社 初版)

経歴/生育歴

A/CとACの人には、予測可能な自己が拒絶される危機と、特定の原因・主体に容易に帰属できない予測可能な危機、その両方を反映する多様な生育歴が存在する。A/Cの人は時に特定の親へ特定の方略を用いることがある。このような場合、それぞれの親が子どもに示す危機の性質が異なっている。他の例で、親の行動は変わりやすいような場合、これらの複数の方略が一人の親に結合している。つまり、その親は時にAタイプの子どもの親のように振舞うこともあれば、Cタイプの子どもの親のように振舞うこともある。後者の場合、A/Cの結合とACの結合のどちらもあり得る。あるいは、A方略かC方略かを選択するのを決定するのは環境の種類かもしれない。たとえば、脅威ではない話題についてはとらわれ型の談話で話すかもしれないが、深刻な脅威を話す時は軽視型の談話に切り替えるかもしれない。最後に、AタイプからCタイプへの変化、またその逆は発達的な変化に付随して起こることが多く、その結果A/C方略になり得る (たとえば、A3ᴄʜɪʟᴅʜᴏᴏᴅ→C3ᴀᴅᴏʟᴇsᴄᴇɴᴄᴇ→A3/C5-6ᴀᴅᴜʟᴛʜᴏᴏᴅ)。しかし、はっきりさせておかなければならないのは、成人愛着面接はこの発達の軌跡を証明することができないということである。

精神病質のACの人たちは、繰り返し起こり、かつ認知的および情動的に欺くような危機をアタッチメント対象から経験してきていることが多い。その危機は通常人生早期に始まり、子どもの頃中継続した。さらに、態度が一貫して安全な人や場所は全くなかった。その子と関わる機会があった、その子を守る立場の人たちはその子を守ることができなかった。それにもかかわらず、子どもは少なくとも時々は自分を守る方略があることを学んだ。これらの方略はAタイプとCタイプの両方の組織化を含み、強迫的方略と執着的に威圧的な方略の両方を含んでいた。成長するにつれて、その後のACの子どもたちは自分自身をもっとうまく守れるようになるのだが、その犠牲に永続的で親密で慰めとなる関係からの分断があった。代わりに、精神病質のACの人が自分自身を他者の期待の鏡像として組織化する一方で、同時にすべての人と物事を疑い、休むことなく親密さを探し求め、裏切りに対する防御を準備し、必要としていた「受けて当然の愛と保護」を与えてくれなかった信用ならない人たちからの報復を探し出そうとしてきた。

また、A/Cは心理療法の過程によく見られるものでもある。Aタイプの人が抑圧された情動に気付くと、彼らは自分自身の感情にとらわれるようになることが多い。これはA/Cにつながる可能性がある。同様に、Cタイプの人は彼らの経験から引き出すことができる意味記憶上(国語のテストのように模範解答的な感情の取り扱い)の否定的結論に気づくにつれて、彼らはどちらのタイプの方略も示すかもしれない。しかし、セラピーが進行するにつれて、統合がより頻繁に起こり、拡大されていくので、方略間を揺れ動くことは少なくなっていくはずである。

・A/CとACの話し手には予測可能で自己を拒絶する危機と、特定の原因や主体に容易に帰属できない予測可能な危機の両方を反映する多様な生育歴が存在する。A/Cの話し手は時に特定の親へ特定の方略を用いることがある。このような場合、それぞれの親が子どもに示す危機の性質が異なっている。他の例では、これらの複数の方略が一人の親に結合している。このような場合、親の行動は変わりやすい。つまり、その親は時にAタイプの子どもの親のように振舞うこともあれば、Cタイプの子どもの親のように振舞うこともある。後者の場合、A/Cの結合とACの結合のどちらもあり得る。あるいは、A方略かC方略かを選択するのを決定するのは環境の種類かもしれない。たとえば話し手は、脅威ではない話題についてはとらわれ型の談話で話すかもしれないが、深刻な脅威を話す時は軽視型の談話に切り替えるかもしれない。最後に、AタイプからCタイプへの変化、またその逆は発達的な変化に付随して起こることが多く、その結果A/C方略になり得る (たとえば、A3ᴄʜɪʟᴅʜᴏᴏᴅ→C3ᴀᴅᴏʟᴇsᴄᴇɴᴄᴇ→A3/C5-6ᴀᴅᴜʟᴛʜᴏᴏᴅ)。しかし、はっきりさせておかなければならないのは、AAIはこの発達の軌跡を証明することができないということである。
・精神病質のACの人たちは、繰り返し起こり、かつ認知的および情動的に欺くような危機を通常、アタッチメント対象から経験してきている。その危機は通常人生早期に始まり、子どもの頃ずっと継続した。さらに、一貫して安全な人や場所は全くなかった。ある時点で交流があった守る立場の人たちはその子を守ることができなかった。それにもかかわらず、子どもは少なくとも時々は自分を守る方略があることを学んだ。これらの方略はAタイプとCタイプの両方の組織化を含み、成熟の機能によって可能になれば、強迫的方略と執着的に威圧的な方略の両方を含んでいた。成長するにつれて、その後のACの子どもたちは自分自身をもっとうまく守れるようになったが、その犠牲は永続的で親密で慰めとなる関係からの分断であった。代わりに、精神病質のACの人は自分自身を他者の期待の鏡像として組織化する一方で、同時にすべての人と物事を疑い、休むことなく親密さを探し求め、裏切りに対する防御を準備し、必要としていた「受けて当然の」愛と保護を与えてくれなかった信用ならない人たちからの報復を探し出そうとしてきた。
・またA/Cの結合は心理療法の過程によく見られるものでもある。Aタイプの話し手が抑圧された情動に気付くと、彼らは自分自身の感情にとらわれるようになることが多い。これはA/Cの結合につながる可能性がある。同様に、Cタイプの話し手は彼らの経験から引き出すことができる意味記憶上の否定的結論に気づくにつれて、彼らはどちらのタイプの方略も示すかもしれない。しかし、セラピーが進行するにつれて、統合がより頻繁に起こり、拡大されていくので、方略間を揺れ動くことは少なくなっていくはずである。
(引用 : 『成人アタッチメントのアセスメント-動的-成熟モデルによる談話分析-』著者:パトリシア・M・クリテンデン、アンドレア・ランディーニ 監訳者:三上 謙一 岩崎学術出版社 初版)

「IOタイプ(その他の不安定型)」とは?

愛着理論-DMモデルでは説明されていない重要な発話の言い淀みや思考の歪曲を伴うものである。つまり、成人愛着面接の談話の重要な要素がここでは説明されていないものである。すなわち、それらはB・A・C・C+ のパターンや、それらが修正されたものだったり、統合したものに当てはまらない。本当に認識されていない要素とパターンを伴う成人愛着面接の記録はIOとして分類されるべきである。

「その他の不安定型(IO)」
・同定されるかもしれない逐語記録の最後のタイプは本方式では説明されていない重要な発話の言い淀みや思考の歪曲を伴うものである。つまり、談話の重要な要素がここでは説明されていないものである (すなわち、それらはB、A、C、C+ のパターンや、それらを修正したり、統合したものに当てはまらない)。本当に認識されていない要素とパターンを伴う逐語記録はIOとして分類されるべきである。
(引用 : 『成人アタッチメントのアセスメント-動的-成熟モデルによる談話分析-』著者:パトリシア・M・クリテンデン、アンドレア・ランディーニ 監訳者:三上 謙一 岩崎学術出版社 初版)

安定した愛着を抱けず抱える「愛着障害」

産みの母との関わりを筆頭に、父、育ての母、祖父母など、さまざまな他人との関わりが愛着やその後の行動様式を形作っていくことになる。社会で生きるとは人付き合いの連続であり、その原点となるのが彼らである。彼らとの付き合いによって、相手に助けを求めることや、その結果をどれだけ期待するかといった愛着スタイルが形造られる。愛着スタイルは人付き合いだけでなく、その人の生き方にも大きな影響を与えている。

安定した愛着を抱けずに、対人関係や人生に課題や困難を抱える状態を「愛着障害」という。愛着障害を抱えていると、対人関係や人生に課題や困難を抱えやすい。この「愛着障害」と「愛着スペクトラム障害」は同義である。「愛着スペクトラム障害」は岡田 尊司 氏が提唱しているものである。愛着スペクトラム障害のスペクトラムとは、症状が曖昧な境界を持ちながら連続していることを意味する。症状の度合いは様々であり、「どの程度なら愛着障害だ」と認定することは困難なのである。よって様々な度合いの症状をまとめて愛着スペクトラム障害としている。

愛着の課題を解決するには「安全基地」が必要

今まで述べてきたように、情動・認知が傾いた愛着タイプを抱えていると人間関係や生き方に症状といえるような課題を抱えやすい。人生をもっと生きやすく実り豊かなものしたい、今抱えているさまざまな問題を良い方向に解決していきたい、もっと幸福な人生を手に入れたい。このような愛着スタイルによる症状を回復しようと思うときには、「愛着の傷をいかに克服し、安定した愛着タイプをもつ(獲得する)ことができるか。また、不安定な部分をいかに補えるか」が重要になる。

そのためには、その人の安全基地となる存在が助けになる。安全基地とは、いざというとき頼ることができ、守ってもらえる居場所であり、そこを安心の拠り所、心の支えとすることのできる存在である。対人関係において、その人が安心できる人のことである。幼児が不安になったときに、「ママ・パパ」と駆け寄るような相手である。幼児はそのように安全基地を頼り安心することで、また活発に行動できるのである。安全基地とは自分という存在が無条件に受け入れられる場所なのである。自分が何を感じ、何を思っているか、安心して話すことができる相手が安全基地になりえる。そのように自分が受け入れられると、自分の人生に対する主体性や責任を得ることができる。自分が大切にされることで、自分を大切にできるようになるのである。

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