誰にでも安全基地がある社会に
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職場と愛着理論

職場でこころの安全基地になる|安全基地があることで高業績の持続的な達成をもたらす

【以前より当サイトを閲覧されている皆様へ】2020.3.7
当サイトで掲載していた「児童発達支援に関する記事全て(2つ)」にて、

・「『愛着障害・愛着の問題を抱えるこどもをどう理解し、どう支援するか? アセスメントと具体的支援のポイント51』米澤好史 福村出版」
・「『愛着障害・社交障害・発達障害への「愛情の器」モデルによる支援の展開と意義―愛着修復プ
ログラムと感情コントロール支援プログラムの提案―』米澤好史 和歌山大学教育学部心理学教室」

の参考文献より、著作権上不適切な扱いをしておりました。権利者の方よりご連絡をいただき、該当記事は削除いたしました。

閲覧者の方には不適当な記事をご覧にいれてしまいました。大変申し訳ございません。

当ウェブサイトが行う、愛着についての医療・福祉・教育情報提供に関するコメント、参考文献一覧です。

【内容】職場に安全基地があることが、高業績を持続的に達成する重要な要件である。

安全基地とは?

安全基地とは、いざというとき頼ることができ、守ってもらえる居場所であり、そこを安心の拠り所、心の支えとすることのできる存在である。

人付き合いで悩みをかかえていないだろうか。周囲の人に適度な信頼を持てない。いたずらに不安を感じてしまう。そもそも他人への信頼に興味がない。そのような思いを抱いていないだろうか。以上のような悩みは不安定型愛着スタイルが原因であることが多い。不安定型愛着スタイルを抱えていると人間関係や生き方に症状といえるような課題を抱えやすい。

人生をもっと生きやすく実り豊かなものしたい、今抱えているさまざまな問題を良い方向に解決していきたい、もっと幸福な人生を手に入れたい。このような愛着スタイルによる症状を回復しようと思うときには、「愛着の傷をいかに克服し、安定した愛着スタイルをもつことができるか。また、不安定な部分をいかに補えるか」が重要になる。そのためには、その人の安全基地となる存在が助けになる。安全基地は、対人関係において、その人が安心できる人となる。幼児が不安になったときに、「ママ・パパ」と駆け寄るような相手である。幼児はそのように安全基地を頼り安心することで、また活発に行動できるのである。安全基地とは自分という存在が無条件に受け入れられる場所なのである。自分が何を感じ、何を思っているか、安心して話すことができる相手が安全基地になりえる。そのように自分が受け入れられると、自分の人生に対する主体性や責任を得ることができる。自分が大切にされることで、自分を大切にできるようになるのである。

・新たな認識と自覚を踏まえたうえで、どうすれば人生がもっと生きやすく実り豊かなものになるのか、どうすれば今抱えているさまざまな問題を良い方向に解決していけるのか、どうすればもっと幸福な人生に近づいていくことができるか。その問題を、もっとも根本的なところで左右するのが、愛着の傷をいかに克服し、安定した愛着スタイルをもつことができるか、不安定な部分をいかに補えるかなのである。
(引用 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)
・安全基地とは、いざというとき頼ることができ、守ってもらえる居場所であり、そこを安心の拠り所、心の支えとすることのできる存在である。
・無気力で、投げやりになっている状態。それは、主体性を奪われた結果、自分に対する責任を放棄している状態である。回避型の人が自分の人生から逃げているときも、同じことが起きている。その場合、主体性と責任を回復させることが、無気力で投げやりな状態から脱することを可能にする。(段落変え)そして、主体性と責任を取り戻させるために、もっとも有効な道が、その人の安全基地となることなのである。安全基地として機能し始めると、しだいに気持ちや意思を話せるようになる。
(引用 :『回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~』岡田 尊司 光文社新書 初版)

職場に安全基地があることで、高業績を持続的に達成できる

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

職場においての、愛着障害や安全基地はどうだろうか。職場で高業績を「持続的」にもたらすためには、「人」と「目標」の両方に重きを置いて、成功を追い求める必要がある。また、人との絆のバランスをとることは、職場で役割を果たし、高い自尊感情を持ち、高い業績を挙げるうえでの基盤となる。人との絆とは、愛着関係のことである。ここで安全基地が大きく関係するのである。
人、あるいは目標との絆を欠いていると、拒否される恐怖、成功あるいは失敗の恐怖が大きくなり、全力を出し切れなくなってしまう。恐怖による強い無力感から、ストレッチ目標にも手が届かなくなる。安全基地は成功の可能性に集中させ、不安感から人々を守り、行動する勇気を起こさせるのである。

職場に安全基地がなければ、愛着障害といえる影響がでる

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

高業績を「持続的」にもたらすためには、「人」と「目標」の両方に重きを置いて、成功を追い求める必要がある。『セキュアベース・リーダーシップ』の著者たちのこれまでの経験では、多くのリーダーは「目標」には非常に重点を置き、実利的な面での成功は成し遂げる。しかし、彼らは孤独感や充実感のなさを味わっている可能性があると述べている。というのも、目標を追い求めるうちに、メンバーとのつながりが失われたり、弱まったりするからである。メンバーとの絆がないままに数字的な目標を達成しようとするとき、多くの身体的、精神的、社会的な影響が生じる。たとえば、心因性のストレス、依存症、燃え尽き症候群、うつ病などだ。これらすべてが、結局は全体的な成功から差し引かれることになる。
安全基地が持てないことにより支障を来している状態が、愛着障害である。愛着障害を抱えていると、対人関係や人生に課題や困難を抱えやすくなる。職場に安全基地といえる人がいなければ、その愛着障害といえる影響がでる。愛着に基づいた関係よりも、利害に基づいた関係の割合の方が多い職場であるにもかかわらずである。愛着障害について以下の記事で詳しく説明している。

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愛着障害者への差別は禁止されており、合理的配慮が求められている

『障害者基本法』、『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律』、『障害者の雇用の促進等に関する法律』の3つの法令が、特に愛着障害に関わるものである。「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(略称、障害者差別解消法)」により、「不当な差別的取扱いの禁止」・「合理的配慮の提供」の2つが求められている。

「不当な差別的取扱い」とは、「行政や事業者が、正当な理由なく障害を理由とした差別をすること」である。「合理的配慮」とは、「行政や事業者が、障害のある人から社会障壁を取り除く要望が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること」である。

「不当な差別的取扱いの禁止」とは?
この法律では、国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者が、障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止しています。
(引用 : 『【全体】リーフレット「「合理的配慮」を知っていますか?」 印刷用』内閣府)※ここでの法律とは障害者差別解消法のこと。
「合理的配慮の提供」とは?
障害のある人は、社会の中にあるバリアによって生活しづらい場合があります。
この法律では、役所や事業者に対して、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられてとき(*)に、負担が重すぎない範囲で対応すること(事業者においては、対応に努めること)を求めています。
【*言語(手話を含む。)、点字、拡大文字、筆談、実物を示すことや身振りなどのサインによる合図、触覚など様々な手段により意思が伝えられることをいいます。通訳や障害のある人の家族、支援者、介助者、法定代理人など、障害のある人のコミュニケーションを支援する人のサポートにより本人の意思が伝えられることも含まれます。】
(引用 :『 【全体】リーフレット「「合理的配慮」を知っていますか?」 印刷用』内閣府)※ここでの法律とは障害者差別解消法のこと。

愛着障害者における合理的配慮の一つが安全基地を用意することである。また、愛着障害を抱える人は多くいる。現状について以下の記事で詳しく説明している。

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職場で安全基地がおう役割

職場での安全基地はどんな役割を果たすのか、『セキュアベース・リーダーシップ』では以下のように説明される。

・安全基地は、安全基地を頼る人に安全と安心を提供し、冒険や挑戦への意欲をもたらす
・安全基地となる人は信頼感を得て、周囲の人々の変化をもたらし、業績目標を一緒に見つめて、人々に熱意を持たせせることで高業績に導く
・安全基地となる人は、人との絆を形成して、その人の悲しみと一緒に向き合うことで、それを受け止め、物事への認知をプラスの側面に向けさせて「業績目標の達成を目指す」
・安全基地となる人は、安全基地を頼る人に安心感を提供する。ロッククライマーがリスクをとって頂上まで登れるようにするビレイヤーのような人である(ビレイヤーとは、ロッククライマーとつながっている命綱を持つ人のこと)
※原文をわかりやすく変更している。

職場で安全基地になる、九つの特性

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

ではどのような人、職場での安全基地になれるのだろうか。『セキュアベース・リーダーシップ』を元に説明する。

「安全基地となる人の九つの特性」
1 怒りや動揺ではなく、冷静でいる
2 他人を人として受け入れる
3 目標達成の可能性を見通す
4 傾聴し、物事の認知をプラスの側面に向けさせるような質問する
5 心強いメッセージを発信する
6 物事の認知でプラス面を一緒に見つめる
7 リスクをとるよう促す
8 内発的動機で動かす
9 いつでも話せることを示す

セキュアベース・リーダーとは、部下(フォロワー)の安全基地となり、安心感を与え同時に挑戦を促す人である。安全基地となる人は、九つの特性をほどよいときに、ほどよく組み合わせて活用し、それによって、ほどよい安全と、ほどよいリスクを提供できる。安全基地を頼る人それぞれで必要とすることは違うだろう。相手によっては、ある特性をより多く発揮する必要があるだろうし、日によってもバランスは変わってくるだろう。最終的には、相手をよく知り、その気分やモチベーションが現れるシグナルを感じ取るというところに行き着く。

1 怒りや動揺ではなく、冷静でいる

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーは、プレッシャーにさらされているときにも、落ち着いていて頼りになることが重要である。他のリーダーが怒りや動揺に陥るようなときにも冷静だ。セキュアベース・リーダーの特徴について、『セキュアベース・リーダーシップ』の筆者がインタビューした人々が最もよく口にした言葉の一つが「冷静」である。この特性は、特にセキュアベース・リーダーの根幹となるものである。リーダーは他の特性よりも先に身に付ける必要がある。

1「怒りや動揺ではなく、冷静でいる」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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1「怒りや動揺ではなく、冷静でいる」を身に着ける|職場で、安全基地となるには? 職場で部下(フォロワー)の安全基地となる人は、いくつかの特性がある。その一つに「怒りや動揺ではなく、冷静でいる」ことがある。そのコツ...

2 他人を人として受け入れる

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーであるために重要なのは、相手の持つ人間としての価値を受け入れ、認めることだ。すべての人を存在する意義があり価値がある人として、尊重し、尊敬し、評価するという考え方だ。セキュアベース・リーダーは、問題と向き合う前に、人と向き合うのである。問題と人とを切り離すのである。可能な限り人の批判や避難を避ける。相手をいつも尊重することも行動の一つだ。

相手を単に、従業員として見たり、何らかの作業をする人として捉えたりはしない。臨床心理学者のカール・ロジャーズの言葉で説明すると、「無条件に肯定的に見る」ということだ。こうしたアプローチをとることによって、相手は自分が正当化され、認められたと感じる。そしてリーダーシップが個人的なものになり、人間が中心になるのである。

2「他人を人として受け入れる」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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3 目標達成の可能性を見通す

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーは経験も知恵もあり、幅広い視点を持っていることが重要である。フォロワーの潜在的な可能性を見つけ、それを引き出すことが役割の一つだからだ。セキュアベース・リーダーはフォロワーの現在の働きや「状態」よりも、隠された可能性に目を向けるべきである。その人本来の価値を受け入れ、それに加えて、その人が自分に対して持つ期待よりも、もっと先を見ようとするのである。

ここで目を向けるのは短期的な能力ではなく、一〇年、あるいは二〇年先に実現するような、その人の最も奥深い可能性であり、ビジョン、あるいは夢とも言えるようなものだ。人はそのような自分の中にある可能性に気づかなかったり、それを信じなかったりする。この特性によって、セキュアベース・リーダーがフォロワーにその可能性を気づかせることができるのである。

3「目標達成の可能性を見通す」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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4 傾聴し、物事の認知をプラスの側面に向けさせるような質問する

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーにとって、相手に聞かせたり、自分の意見を主張したりするのではなく、傾聴し、質問をするというスタイルが重要となる。セキュアベース・リーダーは、自分の見解を押し付けるための長い説明や説教などは不向きである。代わりに、自由回答式、つまり「はい・いいえ」では答えられない形式の質問を用いて対話を行い、より深い真実を求める。こうした深い対話は、セキュアベース・リーダーが使える非常に強力なツールの一つとなる。

4「傾聴し、物事の認知をプラスの側面に向けさせるような質問する」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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5 心強いメッセージを発信する

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーは一つの文章やジェスチャーで、人々に深いインパクトを与えることが重要である。的確な言葉を思いつく術をマスターしており、そうした言葉は莫大な影響力をもって、何年も、あるいは生涯にわたって、聞いた人の心に残ることがある。そんな言葉を『セキュアベース・リーダーシップ』では「的を射たやりとり」と呼ばれる。ここで言う「やりとり」とは、二人の間での言語的なものだけでなく非言語的なやりとりも指している。

セキュアベース・リーダーは的を射たやりとりを、それが本当に必要なときに行うことに長けている。つまり、要点をズバリと言う能力があり、適切なことを適切なタイミングで言う。的を射たやりとりが、相手にとって心強いメッセージとなる。

5「心強いメッセージを発信する」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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6 物事の認知でプラス面を一緒に見つめる

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーは、他の人たちの心の目をマイナス面ではなくプラス面に向けさせることが重要である。そうすることで、危機や困難の中でさえも、その人たちが可能性や学ぶ機会を見出せるようにする。

6「物事の認知でプラス面を一緒に見つめる」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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7 リスクをとるよう促す

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーはリスクをとる機会を与えることによって、部下が可能性を解き放てるよう挑ませることが重要だ。リーダーはフォロワーが自身の力を高める機会を提供するが、多くの場合それはフォロワーにとって成功するか失敗するかのリスクが伴う。この「リスクをとるよう促す」特性は、相手を「人として受け入れる」ことや、「可能性を見通す」ことの先にある。二つの特性ができることから始まる。セキュアベース・リーダーはフォロワーの自律性を尊重し、フォロワーは過剰に管理されているとは感じない。

7「リスクをとるよう促す」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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8 内発的動機で動かす

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーは、人から最大限の力を引き出すには「内発的動機」が重要だと理解し、外発的動機には頼らないことが重要である。内発的動機とは、何かがその人にとって本質的に興味深い、あるいは楽しいからそれを行うということを指している。これに対して外発的動機とは、何らかのタスクの結果によって得られる成果のためにそれを行い、成果がタスクとは切り離せる場合を指す。内発的動機で何かを行っているとき、人は楽しさや挑戦のためにそれを行っており、外からのプレッシャーや報酬などのためではない。

8「内発的動機で動かす」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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9 いつでも話せることを示す

※主たる内容が「『セキュアベース・リーダーシップ』著者:ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム 訳者:東方 邪美 プレジデント社 初版」よりまとめた項

セキュアベース・リーダーは、常に会って話ができる人だと思われることが重要だ。必要な時に会えるという認識を持ってもらうということだ。セキュアベース・リーダーの心理的な存在感が鍵となる。その存在感があることで、実際にそこにいないときも、その役割を果たすのである。

距離的な近さや交流の頻度はそれほど重要ではない。支えてくれて、話ができると思えることは、実際に一緒に過ごす時間よりも、感覚や人間関係によるところが大きい。多くのセキュアベース・リーダーは、フォロワーといつも連絡を取り合っているわけではないし、会っているわけでもない。実際、最も影響力のある対話は非常に短いものだ。たった一言でも影響力を持つこともある。忙しすぎて会えないような人、何時間とフォロワーと話すことができなくても大丈夫なのだ。

9「いつでも話せることを示す」を身に着けるコツを以下の記事で詳しく説明している。

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「何でも話してもらえる」ようになると、良い安全基地といえる

「『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書」によると、良い安全基地となるには5つの条件がある。以下はその条件を与えられる側から述べたものだ。

・安全感を保証してもらえる。
・感受性(共感性とも)を持ち、そうしてもらえる。
・応答性があり、求めているときに応じてもらえる。
・対応に安定性がある。
・何でも話せる。

不安定型愛着スタイルを抱えることになったのは、これらを与えてもらえなかったことが大きな原因である。与えてもらえなかったものを与えてくれる相手が安全基地となりえるのである。最後の「何でも話せる」という条件は他の4つが保証されることで得られるといえる。そうでなければ「何でも話そう」とは思えないのではないだろうか。「何でも話せる」という条件を身に着けている、良い安全基地の作り方について、以下の記事で詳しく説明している。

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結論

9つの特性は愛着理論の安全基地という概念に基づくものだ。この「安全基地」を用意することが、高業績を持続的に達成する重要な要件であり、愛着障害を抱える人への配慮、職場で生み出さないための対策として重要な役割を果たす。

「安全基地」でみる社会

ここまでの解説で「安全基地」をミクロの視点で紹介したきたが、次にマクロの視点でみる。マグロの視点でみることで、愛着が社会全体にもたらす影響を理解できる。

安全基地が皆にあることが社会の利益になる

愛着の3つの特徴、
・誰もが他人から愛着への影響を受け、他人の愛着へ影響を与えている。
・愛着障害はスペクトラム障害である。
・誰もが愛着障害になりえる。
この3点から、「社会の構成員が相互扶助で回避型を含む愛着障害と向き合う」ことが必要だと考える。皆が、「安全基地」を頼り、自らも誰かの「安全基地」になることだ。

誰もが愛着障害になりえる。愛着は大人になった後でも、他者とどんな関りをするかによっては、ネガティブな影響を受ける。スペクトラム障害であることもあわせると、誰もが愛着障害を抱えることと身近であるといえる。実際、「『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版」によると、不安定型愛着を示す人口は全体の「三分の一」にも達するようだ(*1)。愛着障害はスペクトラム障害であり、程度に差はあれ、愛着障害を抱える人は身近にも多く存在することになる。

誰しもに「安全基地」があり、自らも誰かの「安全基地」となる。愛着について、相互扶助が行われる社会にする。そうすることで、効率よく愛着障害と向き合うことができると考える。愛着障害の罹患経路・症状は多くの人が経験する。互恵的に安全基地となることで、愛着障害となったものが救われ、新たに生み出さない社会に近づくと考える。

(*1)2011年発行の書籍、調査の詳細は本文に未記載。著者に対するこの記事執筆者の信頼性から引用することにした。

当サイトについて

愛着タイプ・愛着スタイルが対人関係に与える影響、生き方に与える影響は多岐にわたる。当サイトでは、これらの影響を含め、愛着の情報を多く発信しています。愛着障害の専門サイトです。

以下のカテゴリーにて、愛着理論の基礎知識をご確認いただけます。関連記事をさらにご覧いただけます。愛着障害を皆様にご理解いただけるような説明を心がけております。ぜひご覧ください。