基礎知識

「愛着スタイル診断テスト」とは? |面接によるもの・質問紙によるものの2種類が代表的

「愛着こうで提供する情報の信頼性について」などです。ご確認ください。

愛着スタイルを判定するテストがある。愛着スタイルを見分けるものである。その方法と特徴、テストをする手段を説明する。複数あるテストの特徴を解説する。

「愛着」や「愛着スタイル」とは

愛着障害の「愛着」とは特定の人に対する特別な結びつきのことだ。また、人格のもっとも土台の部分を形造っているものである。脳内のホルモン作用がかかわる生理学的な仕組みである。その型として愛着スタイルというものがある。この愛着の型は、対人関係や生き方に課題・困難さをもたらす。愛着の型の一種である「愛着スタイル」について、以下の記事で詳しく解説している。

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テストの種類が主に2つある

愛着スタイルを判定するには主に二つの方法がある。この二つは大人用のものだということを先に記す。一つが面接で、もう一つは質問紙による検査である。面接によるものが「成人愛着面接(Adult Attachment Interview)」、質問紙による検査が「親密な対人関係体験尺度(Experiences in Close Relationship scale: ECR)」という。

(参考 :『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)

「成人愛着面接」と「親密な対人関係体験尺度 = ECR」の特徴

成人愛着面接では親との関係が重視される。親と安定した関係が築けているかをみる。親との関係が不安定なものであっても、それ以外の他人では安定した関係を保っていることがある。しかし、自身に過度なストレスがかかったときなどに、不安定な面が他の人との関係でも表面化しやすいと考えられる。よって親との関係が重視されるのである。

親密な対人関係体験尺度(以下、ECR)は愛着不安と愛着回避のスコアが高いか低いかによって愛着スタイルを分類する。合計4つに分類される。以下がその一覧である。

・愛着不安と愛着回避が、いずれも低い場合は「安定型secure」

・愛着不安が強く、愛着回避が弱い場合は「不安型anxious」

・愛着回避が強く、愛着不安が弱い場合は「回避型avoidant」

・愛着不安と愛着回避が、両方とも強い場合は「恐れ・回避型fearful-avoidant」

このECRは、妥当性と信頼性が確認され、多くの研究者が共通して用いるテストとされている。

(参考 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)
(参考 : 『成人愛着スタイル尺度(ECR)の日本語版作成の試み』九州大学 中尾達馬・ 加藤和生)

ECR形式での診断は書籍で自己診断ができる

「書籍『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書」(※1)には巻末に「愛着スタイル診断テスト」がついている。そちらで自己診断することができる。一人で、質問に答える形式で、自己診断していただける。その診断方法は、質問紙による検査をもとにし、加工が加えられたものである。ぜひ書籍をご覧いただきたい。他にも岡田氏の書籍はあり、愛着スタイル診断テストが掲載されているのがある。ただ、すべての書籍に掲載されているわけではないので、その点にはご注意いただきたい。
(※1)少なくとも初版には記載。


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(参考 :『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)

自己診断の結果、8つのうちのどれかになる

診断の結果、8つのうちのどれかになる。安定型に当てはまるのが、「安定型」・「安定―不安型」・「安定―回避型」。不安型に当てはまるのが、「不安型」・「不安―安定型」。回避型に当てはまるのが、「回避型」・「回避―安定型」。恐れ・回避型に当てはまるのが「恐れ―回避型」である。もっとも高いスコアが、基本的な愛着スタイルである。

・安定型→愛着不安、愛着回避とも低く、もっとも安定したタイプ

・安型-不安型→愛着不安の傾向がみられるが、全体には安定したタイプ

・安定―回避型→愛着回避の傾向がみられるが、全体には安定したタイプ

・不安型→愛着不安が強く、対人関係に敏感なタイプ

・不安―安定型→愛着不安が強いが、ある程度適応力があるタイプ

・回避型→愛着回避が強く、親密な関係になりにくいタイプ

・回避―安定型→愛着回避が強いが、ある程度適応力があるタイプ

・恐れ―回避型→愛着不安、愛着回避とも強く、傷つくことに敏感で、疑り深くなりやすいタイプ

(引用:『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)※表から判定基準を除いたもの。表の代わりに、「・」と「→」を使用。

(参考 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)

その愛着スタイルがどうして身につくか?

愛着スタイルは人付き合いの型とも言えるものであり、生まれてからの人付き合いが愛着スタイルを形作っていく。産みの母との関わりを筆頭に、父、育ての母、祖父母など、さまざまな他人との関わりが愛着スタイルを形作っていくことになる。社会で生きるとは人付き合いの連続であり、その原点となるのが彼らである。彼らとの付き合いによって、相手に助けを求めることや、その結果をどれだけ期待するかといった愛着スタイルが形造られる。

(参考 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)
(参考 : 『回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~』岡田 尊司 光文社新書 初版)

各愛着スタイルの特徴

自己診断の結果、何かの愛着スタイルに該当する。それぞれの愛着スタイルに特徴がある。

安定型愛着スタイルの特徴

安定した愛着の人は、体験したことにしっかり向き合う。その向き合い方も客観的であり、前向きなものになりやすい。心情的な過剰反応をするのではなく、事実を客観的に受け止めることで、事態に冷静に対処することができる。

(参考 :『回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~』岡田 尊司 光文社新書 初版)

不安型愛着スタイルの特徴

密接になる対人関係に不安を持ちやすく、その不安が行動に出ることで対人関係が悪化する傾向がみられる。パートナーが自分をどう評価するかによって、自分自身に対する評価まで変化しやすいという特徴がある。

不安型愛着スタイルの特徴を、以下の記事で詳しく説明している。

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回避型愛着スタイルの特徴

人付き合いを避ける傾向にあり、自分の未来や将来に対する責任を避けがちになる傾向がみられる。恋人やパートナーから助けを求められることが苦手であり、助けに応えるという反応も見られにくい。

回避型愛着スタイルの特徴を、以下の記事で詳しく説明している。

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恐れ・回避型愛着スタイルの特徴

恐れ・回避型愛着スタイルは不安型と回避型の両方の特徴を併せ持つことが特徴である。
不安型の特徴としては、密接になる対人関係に不安を持ちやすく、その不安が行動に出ることで対人関係が悪化する傾向がみられる。また、パートナーが自分をどう評価するかによって、自分自身に対する評価まで変化しやすいという特徴がある。回避型の特徴としては、人付き合いを避ける傾向にあり、自分の未来や将来に対する責任を避けがちになる傾向がみられる。また、恋人やパートナーから助けを求められることが苦手であり、助けに応えるという反応も見られにくい。

恐れ・回避型愛着スタイルの特徴を、以下の記事で詳しく説明している。

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未解決型愛着スタイルの特徴

未解決型とは、愛着の深い傷が対人関係に影を落としているタイプである。親などの、その人にとって重要な愛着対象との関係において、大きな傷を引きずっており、その傷が他の対人関係にも影を落としている。愛着の傷となった出来事は、通常、物心がついた後に起きているので、思い出すことができることが多い。親の死去、離別、離婚、親からの虐待、親の病気、経済的事情などによる親の不在、無関心、世話の不足などが、よく見られる原因である。これら愛着の傷に関すること以外に関してならば、平静に語ることができる場合が多い。しかし、愛着の傷が関係していることに触れられると、急に動揺して涙ぐんだり、混乱したり、怒りをあらわにしたり、不安定な面を見せることが多い。そのことについて、冷静に語ることができない。もしくは冷静すぎる、感情を伴わない語り方をする場合もある。未解決型愛着スタイルの特徴として、他の愛着スタイルと同時に持つことがある点があげられる。不安型や回避型と同時に持つことがある。

未解決型愛着の人に伴いやすい症状として、解離症状や依存症(的行動)がある。未解決型の人は、心にクレバス(氷河や雪渓の割れ目)を抱えているようなものだともいえる、その傷がある故に、意識や人格の統合が脅かされる瞬間がある。自分を傷つきから守るための手段として、解離症状を起こしているといえる。不快な現実や記憶に向き合うことを避けるため、解離症状が、意識や記憶を飛ばしてしまうのである。依存症(的行動)もよく見られるが、そのわけは、目の前に迫っている不愉快な現実を忘れるためである。飲酒や食べることで気持ちを紛らわしたり、ギャンブルやゲーム、買い物やセックスに夢中になったりする。こうした依存症になりやすい。

未解決型愛着スタイルの特徴を、以下の記事で詳しく説明している。

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