誰にでも安全基地がある社会に
愛着こうは「愛着」についての専門サイトです。
社会情勢

三人に一人もの人が愛着障害をかかえる原因|愛着不安と愛着回避の増加のため

当Webサイトの医療情報提供に関するコメントです。愛着障害や愛着スタイルなどについて情報提供をしています。

昨今、「愛着障害」という言葉がよく聞かれるようになった。この記事では愛着障害をどれほどの人が抱えているか、また、その原因といえる愛着不安と愛着回避について説明する。

愛着障害とは安全基地の不全による障害である

「愛着障害」を抱えていると、対人関係や人生に課題や困難を抱えやすく、不安定型愛着を原因とするものだ。この「愛着障害」と「愛着スペクトラム障害」は同義である。愛着スペクトラム障害とは岡田 尊司 氏が提唱するものだ。愛着障害には虐待や親の養育放棄による「反応性愛着障害」がある。岡田氏はそれを狭義の愛着障害としている。そして不安定型愛着により支障を来している状態と、狭義の愛着障害を合わせて、広義の愛着障害としている。愛着スペクトラム障害のスペクトラムとは、症状が曖昧な境界を持ちながら連続していることを意味する。

・愛着障害と愛着スペクトラム障害が同義。

・愛着スペクトラム障害のスペクトラムとは、症状が曖昧な境界を持ちながら連続していることを意味する。

・狭義の愛着障害が反応性愛着障害を指す。

・広義の愛着障害は狭義のものと、不安定型愛着により支障を来している状態を指す。

・こうした不安定型愛着に伴って支障を来している状態を、狭い意味での愛着障害、つまり虐待や親の養育放棄による「反応性愛着障害」と区別して、本書では単に「愛着障害」と記すことにしたい。このような広い意味での「愛着障害」は、筆者が既に提起した「愛着スペクトラム障害」と同義である。
・不安定型愛着も含めた広義の愛着障害、つまり愛着スペクトラム障害には回避型と不安型のような正反対とも言える傾向をもったタイプがふくまれるが、その根底には、大きな共通点がある。
(引用 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)

愛着障害の詳細を以下の記事で詳しく説明している。

あわせて読みたい
「愛着障害」とは?| その特性や克服の仕方は?※ 当Webサイトの医療情報提供に関するコメントです。愛着障害や愛着スタイルなどについて情報提供をしています。 「愛着障害」をご存知で...

そもそも「愛着」や「愛着スタイル」とは

愛着障害の「愛着」とは特定の人に対する特別な結びつきのことだ。また、人格のもっとも土台の部分を形造っているものである。脳内のホルモン作用がかかわる生理学的な仕組みである。その型として愛着スタイルというものがある。それは対人関係の在り方に大きな影響を与えるものである。また愛着スタイルは人付き合いだけでなく、その人の生き方にも大きな影響を与えている。愛着スタイルについて、以下の記事で詳しく解説している。

あわせて読みたい
「愛着スタイル」とは?| 人間関係や生き方に大きな影響を与える※ 当Webサイトの医療情報提供に関するコメントです。愛着障害や愛着スタイルなどについて情報提供をしています。 愛着スタイルというもの...

不安定型愛着は増加し、三分の一もの人が抱えている

「『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版」によると、不安定型愛着を示す人口は全体の「三分の一」にも達するようだ(*1)。

愛着障害はスペクトラム障害であり、程度に差はあれ、愛着障害を抱える人は身近にも多く存在することになる。

・カップルのどちらかが不安定型愛着を抱える確率→50%以上

・三人のうち、一人でも不安定型愛着を抱えている可能性→七割

「『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版」の著者は、この現状について、書籍内でこのように述べている。

引用 : ”片目を眼帯で覆って車を運転するようなものだと言えるだろう。”

・安定型の愛着を示すのは、およそ三分の二で、残りの三分の一もの子どもが不安定型愛着を示すのである。
・さらに成人でも、三分の一くらいの人が不安定型の愛着スタイルをもち、対人関係において困難を感じやすかったり、不安やうつなどの精神的な問題を抱えやすくなる。
・ご自身が、不安定型愛着を抱えているかもしれないし、恋人や配偶者や同僚がそうであるかもしれない。カップルのどちらかが不安定型愛着を抱える確率は、何と五〇パーセントを超えるのだ! さらに、三人の人がいて、そのうち一人でも不安定型愛着を抱えている可能性は、七割にも達する! 不安定型愛着がどういうものか知らずに世渡りすることは、片目を眼帯で覆って車を運転するようなものだと言えるだろう。
(引用 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版 ※2011年発行の書籍)

(*1)2011年発行の書籍、調査の詳細は本文に未記載。著者に対するこの記事執筆者の信頼性から引用することにした。

愛着不安と愛着回避の増加が、愛着障害の発症を増やしている

不安定型愛着が愛着障害の原因である。不安定型愛着の多くの原因は、愛着不安の強いことと、愛着回避の強いことである。愛着不安とは愛着関係を持つことに不安を覚えること。愛着回避とは愛着関係を回避しようとすることをいう。愛着不安が強いタイプの増加で、境界性パーソナリティ障害や、依存症や過食症が増加している。愛着回避が強いタイプの増加で、淡白な対人関係を好む「草食系男子」や結婚になかなか踏み切れない人が増加している。

愛着不安や愛着回避が増える大きな要因は、社会が数十年間にわたり、愛着を軽視し損なう方向に変化してことである。遺伝的要因の関与は小さく、短期間に変化するものでもない。よって原因は、先に述べた環境的要因一番が大きいのである。

・大人にひそむ愛着障害の増加を間接的に示しているのは、たとえば、境界性パーソナリティ障害の増加であるし、依存症や過食症の増加である。これらは、愛着不安の強いタイプの愛着障害が増えていることを示唆していると考えられる。(段落変え)その一方で、淡白な対人関係を好む「草食系男子」や結婚になかなか踏み切れない人の増加は、愛着回避の傾向を示す愛着障害が、若い世代に広がっていることを示している。
・遺伝的要因の関与はそもそも小さいうえに、短期間に変化する問題でもないから、当然その原因は、環境的なところに求められるが、その答えは、これまで述べてきたことから明らかだろう。この数十年、社会環境が、愛着を守るよりも、それを軽視し、損なう方向に変化してきたということに尽きるのである。
(引用 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)

当サイトについて

愛着スタイルが対人関係に与える影響、生き方に与える影響は多岐にわたる。当サイトでは、これらの影響を含め、愛着スタイルの情報を多く発信しています。関連記事などよりさらに情報をご覧いただけます。

最後に、引用している書籍の「岡田 尊司」氏 は、京都府にある「岡田クリニックの院長を勤めている。当サイトでは、岡田氏の著書から多く引用をしている。愛着スタイルの症状を克服することや、安全基地について知ることができる書籍を、多く執筆されている。ここでは「書籍『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書」(※0)を紹介する。著者による治療をもとに書かれた治療例や、稲田山頭火など偉人といわれる方の愛着スタイルの推察など、多く学ぶことができる。さらに巻末の愛着スタイル診断テストにより、ご自身の愛着スタイルを自己診断いただける。一人で、質問に答える形式で、自己診断していただける。

(※0) 少なくとも初版には記載。

・精神科医。作家。現在、岡田クリニック院長(枚方市)。東京大学文学部哲学科中退、京都大学医学部卒、同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神科医学教室にて研究に従事。
(引用 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)
あなたの職場に安全基地をつくりませんか?

職場に安全基地があることで、安心して働けます。上司等に安全基地になるアドバイスをしてほしい方も、ご自身がアドバイスを受けたい方も、以下のページにてお申込みください。お申込み後、当方が貴社へアドバイザーとしての就任をお願いします。あなたの職場に安全基地をつくりませんか?

申し込み・詳細ページ
※従業員の方からのご紹介には、紹介金制度をご用意しております。