※ 当Webサイトの医療情報提供に関するコメントです。愛着障害や愛着タイプ、愛着スタイル について情報提供をしています。
人生をもっと生きやすく実り豊かなものしたい、今抱えているさまざまな問題を良い方向に解決していきたい、もっと幸福な人生を手に入れたい。このような愛着スタイルによる症状を回復しようと思うとき、「安全基地」があることが助けになる。
「安全基地」があることで、安心感が得られる
「安全基地」とは、いざというとき頼ることができ、守ってもらえる居場所であり、そこを安心の拠り所、心の支えとすることのできる存在である。
人付き合いで悩みをかかえていないだろうか。周囲の人に適度な信頼を持てない。いたずらに不安を感じてしまう。そもそも他人への信頼に興味がない。そのような思いを抱いていないだろうか。以上のような悩みは不安定型愛着スタイルが原因であることが多い。不安定型愛着スタイルを抱えていると人間関係や生き方に症状といえるような課題を抱えやすい。
人生をもっと生きやすく実り豊かなものしたい、今抱えているさまざまな問題を良い方向に解決していきたい、もっと幸福な人生を手に入れたい。このような愛着スタイルによる症状を回復しようと思うときには、「愛着の傷をいかに克服し、安定した愛着スタイルをもつことができるか。また、不安定な部分をいかに補えるか」が重要になる。そのためには、その人の安全基地となる存在が助けになる。安全基地は、対人関係において、その人が安心できる人となる。幼児が不安になったときに、「ママ・パパ」と駆け寄るような相手である。幼児はそのように安全基地を頼り安心することで、また活発に行動できるのである。安全基地とは自分という存在が無条件に受け入れられる場所なのである。自分が何を感じ、何を思っているか、安心して話すことができる相手が安全基地になりえる。そのように自分が受け入れられると、自分の人生に対する主体性や責任を得ることができる。自分が大切にされることで、自分を大切にできるようになるのである。
安全基地があることで、人や自分自身と共感ができようになる
安全基地をつくることで、他者への共感が生まれる。安全基地の人に安心感を与えられる、自分の気持ちに共感的な反応をしてもらったりすることで、他人の気持ちに共感的な反応をすることを知ることができる。今まで安全基地を持たなかった人にとって、他者への共感を心からすることができるようになる。自分自身のこころに対しても同じだ。今まで理性で共感するふりをしていたものを、心でできるようになる。
(引用 :『回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~』岡田 尊司 光文社新書 初版)
安全基地の作り方
良い安全基地の特徴である、頼ったときに安心感を与えてくれる人を見つけると、安全基地を得たといえる。自分の気持ちに共感的に応答してくれることが安全基地の重要な要素である。しかし、安全基地を持たずに大人になったといえる人ほど、安全基地をつくることが難しいといえるだろう。安全基地を持たずに生きるには、自分の気持ちに共感的な応答をしてもらうことを、捨てる必要があるからである。安全基地になるはずだった人に一種の絶望をもったため、安全基地をあきらめたといえる。安全基地をもう一度つくることは、絶望してあきらめたことにもう一度挑戦することなのだ。
パートナーや家族などが信頼できる安全基地として役割を果たしてくれることもあるだろう。そのように、身近にふさわしい人が見つからない場合は、信頼できる専門家も安全基地となってもらうのに適任である。
(引用 :『回避性愛着障害~絆が稀薄な人たち~』岡田 尊司 光文社新書 初版)
・課題を抱えている人が真剣に向き合おうと思ったときには、せっかくのチャンスを無駄にしないためにも、信頼できる専門家に助力を求めることをお勧めする。費用がかかったとしても、長い目で見ると、もっと大きな損失や危険を避けることにつながる。専門家を選ぶ場合も、変にカリスマ性の高い人や、安請け合いをする人は、用心したほうがいい。(段落変え)まず大事なことは、その人自身が安定型の人であるということだ。かつて不安定な愛着を抱えていたとしても、その部分を克服していることが必要である。
(引用 : 『愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる』岡田 尊司 光文社新書 初版)
安全基地のなかでも、「良い安全基地」とは?
「『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書」によると、良い安全基地となるには5つの条件がある。以下はその条件を与えられる側から述べたものだ。
・安全感を保証してもらえる。
・感受性(共感性とも)を持ち、そうしてもらえる。
・応答性があり、求めているときに応してもらえる。
・対応に安定性がある。
・何でも話せる。
不安定型愛着スタイルを抱えることになったのは、これらを与えてもらえなかったことが大きな原因である。与えてもらえなっかったものを与えてくれる相手が安全基地となりえるのである。最後の「何でも話せる」という条件は他の4つが保証されることで得られるといえる。そうでなければ「何でも話そう」とは思えないのではないだろうか。
・一つは、安全感を保証するということである。
・二つ目は、感受性である。共感性と言ってもいいだろう。
・三つめは応答性である。相手が求めているときに、応じてあげることである。
・四番目は、安定性である。
・そして最後は、何でも話せることである。
・最後の条件は、それまでの四つの条件がクリアされて初めて達成できると言えるかもしれない。つまり、「何でも話せる」という状態が維持されているかどうかが、良い安全基地となっているかどうかの目安だとも言える。
(引用 : 『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』岡田 尊司 光文社新書 初版)
当サイトについて
愛着タイプ・愛着スタイルが対人関係に与える影響、生き方に与える影響は多岐にわたる。当サイトでは、これらの影響を含め、愛着の情報を多く発信しています。愛着障害の専門サイトです。
以下のカテゴリーにて、愛着理論の基礎知識をご確認いただけます。関連記事をさらにご覧いただけます。愛着障害を皆様にご理解いただけるような説明を心がけております。ぜひご覧ください。
カテゴリー「基礎知識」→カテゴリー「基礎知識」の記事一覧です。